トランプ関税の背景事情とその本質
トランプ関税については、トランプ氏の発言がころころ変わってわかりにくい。この問題の背景事情、さらに問題の本質について知りたいところだ。東京新聞の4月24日の夕刊の中島岳志さんの記事が参考になった。
オレン・キャスというトランプ政権のブレーンのことばだ。(朝日新聞デジタルの引用だそうです。)
(1)2001年の中国のWTO(世界貿易機関)加盟以降、アメリカの産業が中国の輸出増などによって弱体化し、限界に達していると訴える。
アメリカ社会弱体化し、特に中年の低学歴の白人の間で、薬物やアルコール依存、自殺が増えたという。
(2)1980年代以降のアメリカの保守派は「市場経済と自由貿易」に活路を見出してきたが、この方向性はもはや通用しない。生産よりも消費に偏ったアメリカの現状を変え、製造業を中心とした国内産業の保護と発展を進めるためには、関税は重要な政策手段となる。
(3)キャスいわく「いくら株価が高く、ウォール街やシリコンバレーが繁栄しても、家族やコミュニティーが弱くなってしまっては意味がありません。」現代アメリカ保守の課題は、「格差拡大、労働者と家族、コミュニティーに焦点をあてることである。」
自由貿易は無条件に正しいのかという点をまず押さえる必要がある
柏木勉氏(地球座HP2024.4-25)は次のように主張される。
トランプ関税に対しては「自由貿易の擁護、自由貿易体制の堅持」が掲げられ、反トランプ側のスローガンになっている。…
グローバル化、新自由主義への不満・怒り
自由貿易の利益なるものはグローバル化を推し進めるうえで最も大きな論拠になってきた。グローバル化は、自由貿易の利益の利益を唱えることによって実現してきたのである。…
欧州の極右、極左の躍進も同じこと
この大きなうねりは米国だけではない。欧州の「極右と極左」の躍進も根底にあるものは同じだ。なぜかといえば、自由貿易の利益とは本質的に企業・資本の側にとっての利益だからだ(後述)。そうでなかったら、企業・資本がグローバル化やら世界的分業体制やらをイデオロギッシュに主張して推進するわけがない。…
比較生産費説の裏面ー解雇・失業ーを隠蔽
自由貿易の利益は、リカードの比較生産費説によって理論的に裏打ちされている。比較生産費説はいろいろな論点があるとはいえ、比較優位にあるものを互いに生産してそれを交換すれば互いの厚生(利益)が高まるとして、自由貿易論者に利用されてきた。…
自由貿易の本質は資本の利潤率向上
比較生産費説にのっとった貿易がどのように、資本の利潤を高めるか、その要約を紹介しておく。少し長いのですが。
「…リカードの比較生産費説の論理に従って、互いに比較優位の商品を輸出しあうことになる。比較優位の商品を輸出して比較劣位の商品を輸入すれば、輸入品を安価に国産したことになるから、生産性があがったのと同じ結果になる。…
トランプ関税はアメリカの製造業の復興に本当に有効なのか
4月30日の賀茂川耕助のブログは、製造業を営むXiang Ligang氏の意見を紹介している。
家電メーカーを経営し、空気清浄機を米国に販売しているXiang Ligangは、トランプが中国製品への関税を54%に引き上げた際の内部からの見解を提供した。…
中国の優位性
(A)4月26日の賀茂川耕助のブログより(Hua Bin氏の文章)
トランプは負け、中国からほとんど譲歩を得られないだろう。
この2週間の大げさな演出をすべて取り除けば、トランプの全面的な関税戦争の主な標的が中国であることは明らかである。残念ながら、彼がゼレンスキーに言ったように、今回トランプはカードを持っていないのだ。…
(斎藤 直樹)
相続税のAI税務調査が7月より全国で開始
全相続税申告書の税務リスクをスコア判定
国税庁は令和7年7月より、全国の相続税の税務調査において、人工知能(AI)を活用して選定した事案への”AI税務調査”を始める。AIにより、申告漏れ等の税務リスクが高く調査の必要性がある事案を効率的に選定に、これまで以上に深度ある調査を行う。
全国の税務署に提出された全ての相続税申告書をAI判定の対象とし、税務リスクに応じてスコ付けをして、税卯調査の要否を判断する。
週刊税務通信 令和7年4月21日より掲載